【もっとくわしく】相続登記にかかる司法書士報酬・登録免許税・実費について

本記事では、相続登記のご依頼にあたり必要となる「司法書士報酬」「登録免許税」「実費」について説明します。


相続登記に必要な費用とは

相続登記の申請に必要となる費用には、(1)司法書士報酬、(2)登録免許税、(3)実費の3つがあります。

1. 司法書士報酬とは

司法書士報酬とは、相続登記を当事務所に依頼した場合にかかる手続き代行費用のことをいいます。

当事務所では、費用についてなるべくわかりやすくシンプルにしたいとの思いから、相続登記に必要なお手続きをすべて含んだセット料金でご提供しています。また、相続人や不動産の数が多い場合でも、報酬加算なしで対応いたします。

業務内容司法書士報酬
基本業務相関図・遺産分割協議書の作成、相続人への事務連絡、
登記の代理申請
55,000円
相続人調査現在戸籍・原戸籍・除籍・住民票の代理取得0円
(別途報酬加算なし)
不動産調査登記情報の確認、名寄帳・固定資産評価証明書の代理取得、
完了後登記簿謄本の取得
0円
(別途報酬加算なし)

【参考】司法書士報酬って法律で定められてるの?

平成15年4月1日施行の改正司法書士法によって、それまで日本司法書士会連合会が定めていた司法書士報酬基準が廃止されたため、現在では、事務所ごと自由に報酬額を設定してよいことになっています。
しかし、基準となる報酬額の定めがないとすると、一般の方にとっては、司法書士事務所から提示された報酬が高いのか低いのか判断できませんよね。そこで、日本司法書士会連合会では、全国の司法書士会員からのアンケートを基に、地域別の報酬相場をウェブ上で公開しています。

参考 司法書士の報酬【平成30年集計】日本司法書士会連合会

参考までに、相続登記の地域別報酬額の平均値は次のとおりです。

全体の平均値
北海道地区60,983円
東北地区60,667円
関東地区65,800円
中部地区63,470円
近畿地区78,326円
中国地区65,670円
四国地区65,578円
九州地区62,281円
【前提事例】不動産の数2、戸籍取得5、登記原因証明情報の作成、登記申請代理をする場合

当事務所では、相続登記を得意としており、他の業務と比べても、効率的に対応できる等の理由から、上記表の平均額よりも低い報酬設定でご提供させていただいております。
とはいえ、事務所を選ぶにあたっては、費用だけでなく、人柄や利便性、また専門職として信頼できるかといった点も重要となってきます。
山梨県には、現在130名の司法書士(令和3年3月2日時点)がおり、それぞれ得意とする分野で活躍してます。ぜひご自分に合った司法書士を探してみてください!

参考 もよりの司法書士山梨県司法書士会(別ページで開きます)

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2. 登録免許税とは

登録免許税(とうろくめんきょぜい)とは、登記を申請する際に国(法務局)に納める税金のことをいいます。

司法書士がご依頼者さまに代わって登記の代理申請を行う場合には、この登録免許税を事前にお預かりした上で、代わりに納付することになります。
登録免許税は、最新年度の固定資産評価額を基準に、申請する登記の種類ごとに異なる税率をかけて計算します。

登記の種類登録免許税具体例(評価額1000万円の場合)
所有権移転(相続)1000分の4(0.4%)1000万円×0.4%=40,000円
相続登記の登録免許税の免税措置【令和4年3月31日まで】

次に該当する場合には、相続登記の登録免許税の負担なしで、登記申請できます。

  1. 相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合に、その死亡した方の名義にするための相続登記
  2. 不動産の価額(固定資産評価額)が100万円以下の土地

上記1についての適用事例は少ない印象ですが、2については、山梨では対象となる土地は意外と多いです。ただ、対象となる土地については、登記申請の際に、免税対象となる旨を記載しなければならず、勝手に免税となるわけではないことに注意が必要です。

参考 相続登記の登録免許税の免税措置について法務局(別ページで開きます)

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3. 実費とは

実費とは、登記手続きに必要となる資料(相続人・不動産調査)の手数料や、遠方への資料請求の際の切手代などのことをいいます。

3-1 相続人調査にかかる実費

実費の種類手数料等
現在戸籍謄本450円/1通
原戸籍・除籍謄本750円/1通
住民票・戸籍の附票300円/1通
郵送等手数料740円/1請求
郵便小為替手数料200円/1通

相続人調査では、次の範囲の戸籍謄本を取得する必要があります。

  • 故人(被相続人)の出生から死亡するまでの戸籍
  • 被相続人の住民票の除票
  • 生存する相続人の現在戸籍
  • 相続不動産を取得する相続人の住民票

たとえば、被相続人1名、相続人が妻1名・子2名の場合であれば、戸籍謄本の手数料合計の目安は、5,000円前後となります。

なお、相続開始後に相続人が死亡している場合(数次相続)や、兄弟姉妹が相続人となる場合など、個々の相続のご事情により、追加で取得する戸籍等が必要になる場合がありますので、注意が必要です。

3-2 相続不動産の調査にかかる実費

実費の種類手数料等
登記情報(オンライン)334円/1通
名寄帳300円/1通
固定資産評価証明書300円~
郵送等手数料740円/1請求
郵便小為替手数料200円/1通
登記情報(オンライン)とは

登記情報とは、登記簿謄本に記載される内容と同じ情報を、オンラインで確認ができる資料のことをいいます。登記情報は、登記簿と同じ不動産ごとの請求となるため、1通につき334円の取得手数料がかかります。

司法書士は、この登記情報を基に、遺産分割協議書や登記申請書を作成します。また、被相続人の登記上の住所が異なる場合や、抵当権などが設定されている場合など、不動産ごとのご事情も確認した上で、適切なお手続きをご提案いたします。

名寄帳とは

名寄帳(なよせちょう)とは、市町村役場が管理する固定資産課税台帳の写しのことをいいます。名寄帳は、登記情報と異なり、所有者(納税義務者)ごと1名義として管理されており、1名義につき300円の取得手数料がかかります。

名寄帳には、所有者(納税義務者)名義の不動産が一覧で記載されているため、相続不動産を特定する際の参考資料として利用することが多いです。類似する資料として、固定資産税課税明細書が挙げられますが、名寄帳には、課税されていない土地(公衆用道路や用悪水路など)も記載されていることから、相続不動産を漏らすことなく把握するためにも、名寄帳の確認は重要といえます。

固定資産評価証明書とは

固定資産評価証明書(こていしさんひょうかしょうめいしょ)とは、市町村役場が管理する固定資産課税台帳の内容のうち、特に不動産評価額を証明する目的で作成された証明書のことをいいます。所有者(納税義務者)ごとに、不動産を指定して交付請求できますが、甲府市であれば、不動産3つ(土地建物は別)を1件として、1件につき300円の取得手数料がかかります。(注:市町村ごと手数料規定は異なります。)

名寄帳にも不動産評価額は記載されてきますが、たとえば、課税されていない土地への「近傍類似地の追記」が必要な場合には、固定資産評価証明書に追記する形で対応する必要があります。

3-3 相続登記申請・完了後にかかる実費

実費の種類手数料等
登記簿謄本480円/1通
郵送等手数料(登記申請時)1040円/申請先
郵送等手数料(完了書類納品)520円/納品先
登記簿謄本とは

登記簿謄本(とうきぼとうほん)とは、特定の不動産の登記記録(権利関係)を確認できる資料で、法務局登記官の職印が押印された証明書のことをいいます。この登記簿謄本ですが、実は、登記簿のコンピュータ化に伴い、現在は「不動産全部事項証明書」が正しい名称となります。しかし、コンピュータ化前の「登記簿」の名称が広く認知され続けていることから、今でも登記簿謄本と呼ぶことも少なくありません。
当事務所では、相続登記が完了した後に、新しく登記名義人が変わったことを証明するために、登記簿謄本(全部事項証明書)を取得しています。登記簿謄本の交付には、不動産1つにつき480円の取得手数料がかかります。

【画像出典】法務省ウェブサイト(http://www.moj.go.jp/content/001309855.pdf)

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相談時にはお見積りの目安もご案内しています

本記事では、相続登記にかかる費用をご紹介しましたが、上記以外にも、個々のご事情によって、追加のお手続き・実費等が必要になる場合もあります。
そのため、当事務所では、ご相談時に、個々のご事情を考慮したお見積りの目安をお伝えするようにしています。もちろん、その場でご依頼をお決めいただかなくても大丈夫です。後日、ご家族とお話し合いの上で、しっかりと納得いただけたときにだけ、ご依頼いただければと思います。

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